モンブランのスティーブンソン限定モデルは、樹脂・漆・銀の3段で『宝島』を彫り分けている

モンブランの「ライターズ エディション ロバート・ルイス・スティーブンソン」は、同じ小説『宝島』を題材にしながら、軸の素材が3段に分かれている。樹脂の通常版、漆の「1883」、スターリングシルバーに金を重ねた「94」。公式ページ(2026年11月8日に確認)の記述を並べると、同じ物語が素材ごとに別の形で彫られていた。
樹脂の通常版は、宝の地図の「X」を軸に刻む
通常版の軸は黒い樹脂で、十字の刻印が並び、そのなかに1つだけ大きな「X」がある。宝島の地図で、宝の場所を示す印だという。キャップ頂部のモンブランのエンブレムには海賊の髑髏が入り、キャップのリングにはスティーブンソンの署名と、最初の作品『ペントランド蜂起』の出版年1866が刻まれる。キャップにはスティーブンソンの生没年1850〜1894も彫られている。ペン先は金(Au750)にロジウムを施したもので、細かな波と、サモアの人々が作家に贈った呼び名「トゥシタラ」が刻印される。
1883は、軸に帆船ヒスパニオラ号が乗る
「1883」は、『宝島』が本になった年と同じ数字の版。黒の漆の軸にヒスパニオラ号が描かれ、小さな窓の奥に英国旗が見える。つまみを回すと、旗が海賊旗に替わる。反乱を起こす海賊たちという筋書きを、仕掛けで見せている。キャップの縦線は、船の板と昔の船箱を思わせる。ペン先は手作りの金(Au750)で、雲とカモメと「トゥシタラ」が刻まれる。
94は、銀の軸に金の格子と宝の地図
「94」は、スティーブンソンが亡くなった1894年の末尾と同じ数字の版。軸とキャップはスターリングシルバー(Ag925)で、その上にAu750の金の格子が重なる。軸には、物語の出発点である手描きの宝の地図が彫られている。キャップには、船上でいちばん危険な人物ロング・ジョン・シルバーと、その連れのオウム、フリント船長が、手彫りで入る。キャップのいちばん上のリングには、自作の墓碑銘の最初の一行「UNDER THE WIDE AND STARRY SKY」が、鏡に映したように左右反転した文字で入っている。公式は、これを『ジキル博士とハイド氏』の二面性への目配せだと説明している。ペン先は2色で、「トゥシタラ」と、作家が上陸したサモアを表すヤシの葉が刻まれる。
重さを並べると、素材の差がそのまま出る
| 品目 | 素材 | 重さ | 寸法 | 公式ページの表示価格 |
|---|---|---|---|---|
| 通常版 ボールペン | 黒のつや消し樹脂、象牙色の樹脂のキャップ | 54.7g | 142.8mm × 18.4mm | 1,470米ドル |
| 1883 万年筆 | 漆の軸、金メッキのキャップ | 106.71g | 146.7mm × 18.4mm | 6,800米ドル |
| 1883 ローラーボール | 漆の軸、金メッキのキャップ | 122.68g | 146.7mm × 18.4mm | 6,400米ドル |
| 94 万年筆 | スターリングシルバーに金の重ね | 123.2g | 記載なし | 記載なし |
1883の万年筆とローラーボールは、寸法が同じなのに、ローラーボールのほうが約16g重い。通常版のボールペンは、1883の万年筆の約半分の重さしかない。価格は、モンブランのペルー向け英語ページの米ドル表示で、地域によって違う。たとえばアラブ首長国連邦のページには、通常版の万年筆が6,400ディルハムで、オンラインでは売り切れと出ている。
分からないこと
- 限定の本数。どのページにも、本数は書かれていない。
- 発売年。公式ページには載っていない。
- 94の寸法と価格。確認したページに出ていなかった。
- 通常版のローラーボール。確認した地域のページでは、見つからなかった。
- 重さの差の中身。1883のローラーボールが重い理由は、公式が説明していない。
- 「1883」「94」という数字の意味。出版年と没年に重なるが、命名の理由を公式ページは書いていない。