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オーパス88 コロロ レビュー:台湾の工場が蘇らせた「日本式アイドロッパー」

台湾・台北のオーパス88(Opus 88)は、ここ数年で万年筆の世界に急に名前が広まったブランドです。中でも「コロロ(Koloro)」は、エボナイトと透明アクリルを組み合わせた軸と、2ml以上入る大容量が特徴。1万円台後半で買えるアイドロッパー(スポイト式)です。その仕組みと来歴を掘ります。

社名の「88」は創業年

オーパス88は、創業者マイケル・シュー(Michael Hsu)が1988年に台北で始めた会社です。社名の88はこの年に由来します。ただし長いあいだ自社ブランドは持たず、他社の高級筆記具の部品や完成品を請け負うOEM/ODM工場として動いていました。米国のブログ The Gentleman Stationer によれば、自社名を冠したペンを本格的に売り出したのは2017年秋のことです。創業から約30年、黒子だった工場が表に出てきたわけです。

尻軸の「止め弁」の正体

アイドロッパーは軸そのものがインクタンクになる方式で、構造は単純ですが、気温や気圧の変化で中の空気が膨らみ、ペン先からインクが漏れやすいのが古くからの欠点でした。コロロは尻軸にねじ込み式の弁を仕込んでいます。閉めるとゴムのパッキンとエボナイトのピストンが首軸とタンクの間を塞ぎ、書くときだけ尻軸を数回ゆるめてインクを通します。飛行機に持ち込んでも漏れにくいのはこのためです。

この構造はオーパス88の発明ではありません。レビューを書いた Inked Happiness によると、1900年代初頭に英国オノトが考案し、のちに日本のメーカーが大正から昭和にかけて取り入れたものです。海外では「ジャパニーズ・アイドロッパー」と呼ばれ、近年はダニトリオ(Danitrio)のような高価な漆のペンでしか見られない仕組みでした。それを1万円台の樹脂のペンに載せ直した、というのがオーパス88の功績です。

コロロの中身

項目内容
素材キャップと尻軸がエボナイト、胴はアクリル
インク容量2ml以上(輸入元の公称)
ペン先ドイツ JoWo 製スチール、#5サイズ
重さキャップ込み約25g、本体のみ約15g
長さキャップ込み約140mm

ペン先はネジ式のユニットで、JoWo #5互換なら交換できます。重さが軽いので、長時間書いても疲れにくいという評価が複数のレビューで一致しています。

海外では「ちょうど100ドル前後」の価格帯で、TWSBIと並んで台湾を代表するブランドと言われるようになりました。日本での取扱店はまだ多くありませんが、PencilDBには7色の品番を載せています。

参考: The Gentleman Stationer「Pen Review: Opus 88 Koloro Demonstrators」(2018年)、The Pen Addict「Opus 88 Koloro Fountain Pen Review」(2021年)、The Well-Appointed Desk「Opus 88 Koloro Blue Blue」(2018年)、Inked Happiness「Opus 88 Picnic」「Unboxing the Opus 88 Fantasia」